組合ニュース No.39

鎌形学園教職員組合 2007(平成19)年5月17日(木)

鎌形学園専任教員の過半数以上の委任を受けて賞与問題に関する団体交渉実施!
3月29日(木)午前10時30分 酒々井校会議室
(学園側出席者)学園長、本部事務局長、浦安校長、船橋校長、酒々井校長、浦安校事務局長、酒々井校事務局長
(組合側出席者)組合執行部(5名)及び私教連執行部(2名)

報告が大幅に遅れましたが、去る3月29日午前10時30分より酒々井校会議室に於いて賞与問題に関する団体交渉が実施されました。その概要と組合による分析及び見解は裏面に記すとして、まずは、団交実施後の学園側文書回答(4月12日付)をご一読ください。

団交質問事項への回答
平成19年3月29日付けの団体交渉質問書につきまして、下記のとおりに回答いたします。

1.賞与の大幅カット及び格差支給について
(1)平成14年度までは学校経営がほぼ安定していたが、平成15年度からは募集定員を確保できなくなった。そのため、平成15年度より賞与を減額すべきであったが、余剰金があったので、それで対応してきた。
(2)賞与に各校で差をつけるということについては、12月の理事会において多くの理事から入学状況にかなりの差があり、その結果財政状況にも差がある。募集活動のより一層の充実を図るために賞与にかぎり若干でも差をつけたらどうかという意見がだされ、その意見を尊重したところである。
(3)学園全体の経営の健全化を図ることを第一のメリットとし、募集活動等について全ての教職員が一層充実させるために、努力していかなければならないという決意につながると考えている。
2.独立採算制導入の可能性について
(1)給与についても将来的に格差をつけると述べたということであるが、先般の説明会でそのような発言はしていないと認識している。現在そのつもりはない。
(2)現在は各学校の収支については基本的に各学校で管理している。
3.今後の学園の経営方針について
(1)第2号基本金については、19年度当初予算には計上していない。財政面における収支についてはかなり厳しくしており、今後具体的内容については理事会の意見等も伺いながら検討していきたい。
(2)定員確保の手段としては、
ア 中学と一層緊密な関係を築く。
イ 生徒保護者のニーズに応えられるよう進路指導の充実を図る。
ウ 生徒保護者の信頼関係の樹立によって、退学者の減少を図る。
エ 人事の効果的な異動方策などによって教育活動のより一層の充実を図る。
 など、様々に考えられる。
4.人事等について
(1)教頭二人制については、特に酒々井校と船橋校において実施したところである。酒々井校においては、校務分掌全般にわたる有機的な運営、とりわけ募集活動を中心とした対外諸業務の効果的な実施、進路指導の一層の充実に向けての指導及びきめ細かい連絡調整等を図るためであり、船橋校においては、それらに加えて、各学科の連絡調整及び今後の学科のあるべき姿の検討など多様な課題に対応するためである。
浦安校及び新潟校においては、一層進路指導の充実を図り生徒・保護者のニーズに応えていくべき課題があるが、募集活動、校務運営等においては比較的安定しており、今回は教頭二人制を見送ったところである。
中学校においては、教職員の実質的な数が少ないので必要はないと考えている。
(2)昇格については、学校の全体の人事上の状況、個々の教職員の係わる分掌等を総合的に勘案して決定するものであり、その最終的な決定権は理事長が有するものである。各学校で差があるというのは考えられない。
以上

学園側回答に対する見解
質問2 独立採算制導入の可能性について
(2)現在の各校の収入はどのように管理されているのか?
上記の質問に対する回答で、本学園は、創立以来、各校での収益はそのまま各校で処理するシステムであったということを明記した。すなわち、収益金が本部で集約された後、各校へ分配されていくというシステムではなかったということである。
だとすれば、酒々井校を例にとれば、長年にわたって定員大幅増の時代が続いたわけであるから、当然かなりの剰余金がプールされているはずである。ところが、「酒々井校にはお金がない」と学園側は主張する。
「学園全体の借入金が0」「酒々井にはお金がない」これが示すものは何か?
現在、学園全体の借入金が「0」であることを考えると、あの時代に得た酒々井校の収益金は、他校の建設費等に使われたであろうことは容易に推測できる。だからこそ、学園の借入金が「0」だといえるのだ。
とすれば、突然いま、各校の財政状況により待遇を決定しようとするのは、余りにもこれまでの年月を無視する不当なやり方だと言えるのではないだろうか。
各校で現在の財政状況により賞与に格差をつけようとするなら、今までの各校の収益金がどのくらいあり、それがどのように使われ、今どのくらい残余金があるのかはっきり示すべきである。
「学園全体の借入金が0」「酒々井にはお金がない」これが何を示すのか?過去において、はっきりと収益金は上部組織に吸い上げられる方式ではなかったとしても、学園を一体とした財務運営がなされてきたはずである。同一待遇の伝統を崩そうとするのなら、過去のお金の使い方を明らかにすべきである。
質問4 人事等について
(1)学園長の二人教頭制のビジョンとは?
今回二人教頭制が酒々井・船橋校で導入された。その真意を問うたところ、かなり明確な回答が学園長からあった。また、導入は学校の規模によるものではないということも明らかになった。
いわく「浦安は問題がないので導入しない。今後問題があれば導入もありうる」「酒々井は生徒募集、船橋は生徒募集と学科がいろいろあるのでそれについて考えてもらいたい」
このように導入の目的が明確になれば、当然、教頭のうちの1人の任務が特化されるということで、これは納得できるものである。学校規模から、一般的な教頭業務は当然1人で十分なはずであるが、私学の生き残りをかけて、教頭を1人増やして生徒確保していこうとするのは私学経営者としてありうる選択だと思われる。
質問 その他
(1)事務職給与は教諭職と同じ2等級にて支給
本学園は、県並みをうたい文句に、長きにわたり経営されてきた。当然ながら事務職員は県と同じ1等級より支給されてきた。「同じ年齢なのに給与にかなり差がある」と事務職員のぼやきを聞かされたこともおありだろう。
それが数年前から2等級により給与が支払われているということが判った。本学園は私学であり、教員も事務職員も等しく学園のために働いているのだから、給与に差をつけず同様の待遇をするのは喜ばしいことである。
が、しかし、常勤講師の扱いはどうだろうか?
常勤講師は1等級による支給であるから、嘱託教諭が常勤講師に昇格すると収入減になってしまう現実がある。これは、経験年数を1等級(過去の事務職と同じ職務、同じ経験として)で換算するからである。教諭になれば2等級で前歴換算するというが、以前のような常勤1年で教諭昇格というルールは今はなく、何年たてば昇格できるかという客観的なものさしもなさそうだ。それなら教諭と同様の業務をまったく同じにこなしている常勤講師の待遇については、やはり考えてほしいものである。教諭職に適用されている2等級を事務職に適用するなら、常勤講師も2等級で前歴換算して給与を支給すべきではないか。この点については、事務職員2等級を機に是非考えていただきたい。
(2)学園の将来の教員構成に朗報!!〔質問4の(2)に関連して〕
適正な教員構成は学校づくりに欠かせないものである。年寄りばかりの教員で、しかも常勤が少ない状況では、とてもよい学校は作れない。若い教員と経験豊かな教員がバランスよく配置されていることが望ましいのは当然である。このところ人件費削減・教員削減と声高に叫ばれているが、今回団交において、「人件費と教育効果を考えた場合、教育効果があると判断された時には採用・昇格がある」との明言があった。
これはまことに本学園にとって喜ばしいことであり、是非現場の声を踏まえ、教員人事を考えていただきたい。優秀な教員の存在なしに学校は生き残れないはずである。
「教育効果が上がることならば、経費増も厭わない」
団交という公の場での、こうした学園長発言には大きな意味があります。是非とも様々な場面において「有言実行」で取り組んでいって欲しいものです!
それでも、肝心の「賞与問題」については、相変わらず学園側は、団交において強硬な姿勢を堅持したままでした・・・。
以下、団交後の状況について報告します。あなたは、このまま賞与カットが強行されても納得できますか?
専任教職員60%近くの委任署名(千葉県内鎌形学園4校)に対し、新潟校を含めれば、過半数には至っていないと学園側が主張!
組合の交渉に対して、学園側が強気で対処してくる背景には、こうした考え方があります。現に団体交渉中において学園長が上記のような発言をしてきました。
しかし、我々鎌形学園教職員組合は、千葉県内4校をもって成立している組織であり、実際に平成16年千葉県地方労働委員会提訴の際には、地労委がこうした我々の組合を正式なものと認めて、和解交渉に乗り出したわけであります。故に、今更、新潟校を含めれば過半数に至らないから、考慮の対象にはならないという学園側の主張は、詭弁以外の何ものでもなく、もし本気でそう考えているのならば、それこそ大きな誤解であると申し上げねばなりません。
公的機関である地労委が認めている千葉県内4校教職員の60%近くにのぼる「声の重み」を、学園は真摯に受け止めるべきでしょう!
黙殺された酒々井校50数名の「教職員の声」!!
「賞与に関する説明会後、質問してくる教職員はいなかった。ということは、皆さん納得したということでしょう。現に団交の席にもわずかな職員しか参加していない」とは、団交における本部事務局長の発言。しかし、実際には、例えば酒々井校では専任教員50数名の署名をもって、説明会後に質問状を提出していました。
しかし、教職員へのきちんとした回答はなく、後日、その件に関して、本部事務局長が(変形労働時間における)職場代表の教職員と話し合った際も、まったく誠意のみられない、責任ある立場の人間の態度とは思えぬ対応しかなかったと耳にしています。
「賞与問題」第2回団交は、5月21日(月)に実施されます!
★今こそ、組合への参加を!
数は力です!単なる署名だけではなく、生徒・保護者、そして我々教職員にとって、より良い学校づくりを実現していくためには、法に守られた(憲法で保障された)きちんとした組織でもって、正々堂々と発言していくべきです!組合軽視の現状を打破するには、1人でも多くの組合参加者を増やすしかありません。
※表立った活動は、皆さんの意見を取り入れ、執行部及び有志のメンバーが担当します。もちろん組合参加者の氏名は公表されません。
<<酒々井校報告>>
それはないでしょう?入試広報外回りのために、学年を外され授業もゼロ!しかも、本人への正式通達があったのは年度が明けてから!
酒々井校の先生方はよくご存知でしょうが、今年度、某教諭が学年外、授業ゼロになりました。学園の方針として、生徒募集強化という理由はよくわかります。その点に関しての異論はありません。しかし、通達が年度明け当初、いきなりというのは納得できません。本人は事前に噂で漏れ聞いて、ある程度の覚悟はしていたものの、教科主任からも学校長からも事前に何の話もなかったのです。
4月当初、某教諭と共に組合員1名が校長のもとへ行きました。
校務分掌については、事前にいちいち本人に相談することはないから。という回答が初めにありましたが、この件は、普通の分掌異動とは訳が違います。我々は、教員として採用されているのであり、単に給料のためだけに働いているのではありません。担任として、授業担当者として、生徒とかかわっていくことに生き甲斐や働き甲斐を感じている部分があるわけであり、だからこそ、早朝出勤や自主残業も厭わないところがあるのです。それをいきなり学年から外され、授業もゼロにされるというのは、ちょっと理不尽ではないでしょうか?あまりに情がなさ過ぎます。こうした、通常の単なる配置転換とは異なる場合には、少なくとも事前に、本人にある程度納得のいく説明をしていただきたい、そのぐらいの配慮はして欲しいと主張しました。
校長も、その点に関しては理解できるので、今後こうしたことがあった場合には考慮すると応えてくれました。
以上、報告まで。

賞与問題に関する団体交渉への委任状は、おかげさまで鎌形学園4校専任教員の60%近くになりました。
委任状を下さった先生方、まことに有り難うございました。
また、船橋校において、1万円のカンパがありました。
ご支援のほど有り難うございます。

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